こんにちは。
施設基準管理士のカジハヤトです。
令和8年度(2026年度)の診療報酬改定、みなさんはもうキャッチアップできていますか?
今回の改定では「残薬対策」が一つのテーマとなっています。
患者さんのご自宅に大量の薬が余っている、いわゆる"残薬問題"は日本全体で年間数百億円規模ともいわれてきた長年の課題です。
今改定はその解決に向けて、
- 処方箋の様式そのものを変える
という対応が盛り込まれました。
しかも、施行日は2026年6月1日。
意外とすぐそこです。
「薬局の話でしょ?」と思っているあなた、ちょっと待ってください。
今回は医師・医療機関側にも対応が必要な改定です。
病院職員全体でしっかり共有しておきましょう!
本記事は2026年3月発出の告示に基づき作成しています。
実際の算定に際しては、最新の通知・解釈通知もご確認ください。
目次
2026年度診療報酬改定|処方箋様式が変わる!残薬対策で病院に求められること!まとめました。

今回の改定の背景|なぜ残薬がここまで問題になるのか
残薬が生まれる理由は様々です。
飲み忘れ、副作用で飲むのをやめた、入院中に処方がダブった……。
そしてその薬は捨てられるか、家に眠ったまま。
これまでも薬局の薬剤師が「残薬あります」と医師に疑義照会してくれることはありましたが、疑義照会には医師が対応する時間が必要で、現場の負担も大きかった。
「毎回電話でやりとりするのは大変」という声は薬局側からも医師側からも聞こえていました。
そこで今改定では、
「疑義照会なしで薬局が減量調剤できる」仕組み
を処方箋の様式レベルで制度化することになりました。
処方箋様式の見直し|ここが最大のポイント!
何が変わるのか
6月1日から使用する新しい処方箋には、備考欄に新しい指示欄が追加されます。
その名も「保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応」欄。
医師が事前に以下のどちらかにチェック(「レ」または「×」)を記載しておくことができます:
| チェック欄 | 内容 |
|---|---|
| ☐ ① | 保険医療機関へ疑義照会した上で調剤 |
| ☐ ② | 調剤する薬剤を減量した上で、保険医療機関へ情報提供 |
②を選ぶとどうなるか?
これが今改定の最大のポイントです。
【これまでの流れ】
患者来局 → 残薬確認 → 薬剤師が医師に疑義照会 → 医師が対応・指示 → 調剤
↑ ここの往復が大変だった!
【新しい流れ(②チェック済み処方箋)】
患者来局 → 残薬確認 → 薬剤師が減量調剤 → 医療機関へ情報提供
↑ 疑義照会が不要に!
医師は処方箋を書く段階で一度判断するだけでよくなります。これは医師の業務負担軽減にもつながりますね。
病院職員として注意すべきこと
⚠️ 医師への周知が必須!
この新しい欄は、医師が何もしなければ空白のままです。
処方箋に指示がなければ薬局は従来通り①(疑義照会)で対応するだけ。
この制度のメリットを活かすには、
- 医師自身が②を選択することを意識
しなければなりません。
病院の医事課・薬剤部の担当者として、以下を早めに準備しておきましょう:
- 電子カルテの処方箋フォームの改修(指示欄チェックボックスの追加)
- 医師への説明・院内勉強会の実施
- どのような患者・薬に②を使うかの院内ルール整備(例:長期処方の高齢患者、多剤服用患者など)
薬局との連携がカギ|新設加算「調剤時残薬調整加算」とは
参考情報として、薬局側に新設される加算も把握しておきましょう。
病薬連携・情報提供の動機付けにもなります。
調剤時残薬調整加算(新設)
| 区分 | 点数 |
|---|---|
| 原則(かかりつけ薬剤師が対応等) | 50点 |
| 在宅患者・非かかりつけ薬剤師の場合 | 30点 |
算定要件の概要:
- 患者または家族から聞き取りにより残薬を確認
- 処方医に連絡・相談し、医師の指示のもとで処方日数を調整
- 原則7日分以上相当の処方日数を減量した場合に算定可能
- 例外として6日分以下でも薬剤師の専門的判断があればOK(ただしレセプトへの理由記載が必須)
なお、「調剤時残薬調整加算」は、薬局が算定する加算です。病院の算定項目ではありません。
ただし、薬局からの情報提供をしっかり受け取り、カルテに記録する体制を整えることは医療機関側の責務です。
まとめ
今回の処方箋様式の見直しは、地味に見えて実は
医師・薬局・病院事務が三位一体で動かないと機能しない制度設計
になっています。
「知らなかった」では済まない時代です。6月の施行に向けて、早めに院内で情報共有をしておきましょう!
今回はここまでです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。






