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こんにちわ。

施設基準管理士、カジハヤトです。

今回は、医療機関の職員向けに

  • 「療養の給付と直接関係ないサービス等」

について、できるだけ実務で使いやすい形で整理してみます。

このテーマは、医事課だけが知っていればよい話ではありません。

受付、外来、病棟、地域連携、管理部門まで、院内のどこかで必ず関わります。

なぜなら、

請求してよいものと、請求してはいけないものの線引きを間違えると、患者さんとのトラブルだけでなく、保険診療上の問題にもつながる

からです。

だからこそ、制度の細かい条文を覚えることよりも、まずは「どういう考え方で線を引くのか」を職員全体で共有しておくことが大切です。

療養の給付と直接関係ないサービス等とは?施設基準管理士がわかりやすく解説!

 

「療養の給付と直接関係ないサービス等とは?施設基準管理士がわかりやすく解説!」を連想させる写真

まず結論です

このテーマ、難しそうに見えますが、考え方の軸はそこまで複雑ではありません。

ポイントは、

治療や看護の中に含まれているものは別に請求しない、そして治療と直接関係のないサービスや物は、ルールを守ったうえで実費徴収の対象になり得る。

この2つです。 

現場でまず共有したいのは、次の3点です。

  • 保険診療に含まれるものは、患者さんに別請求できない
  • 日常生活上の便宜や保険給付外の文書などは、実費徴収できる場合がある
  • 実費徴収するなら、掲示・説明・同意・領収書の整理まで必要

要するに、「取っていいかどうか」だけではなく、どう取るかまで含めて制度になっている、ということです。 

「療養の給付と直接関係ないサービス等」とは何か

厚生労働省の整理では、保険医療機関が保険診療を行うにあたり、療養の給付とは直接関係のないサービスや物については、一定の条件のもとで患者さんから実費を徴収することができます。

逆に言えば、治療行為や看護行為そのもの、またはそれに密接に含まれているものは、別建てで患者負担にしてはいけません。 

ここで大事なのは、

  • 「患者さんが希望したから請求してよい」という発想ではない

という点です。

制度上の考え方としては、保険診療の中に含まれているものかどうかが先にあり、そのうえで、保険外として整理できる内容だけを、適正な手続きを踏んで徴収する、という順番です。 公益社団法人 東京都医師会

まずはこの表で大づかみに整理しましょう

区分 具体例 実務上の見方
実費徴収できるもの おむつ代、尿とりパッド代、病衣貸与代、テレビ代、理髪代、クリーニング代 日常生活上のサービスや利便性に関するもの
実費徴収できるもの 診断書などの文書料、診療録開示手数料、通訳料 公的保険給付と直接関係しない文書・支援
実費徴収できるもの 処方箋や薬剤の郵送代、院内託児サービス利用料、患者都合の検査キャンセルによる実損相当額 治療そのものではない付随サービス
実費徴収できないもの ガーゼ、絆創膏、手袋、縫合糸、分包紙、散剤カプセル 手技料や処置料などに包括される材料
実費徴収できないもの シーツ代、冷暖房代、清拭用タオル代、おむつ処理費 医療提供の中で当然に必要となるもの
実費徴収できないもの 「雑費」「お世話料」「施設管理料」など 曖昧な名目による一括徴収は不可

出典整理: 厚生労働省 / 厚生労働省

請求できるものは、意外と「生活まわり」が多い

実費徴収の対象として分かりやすいのは、おむつ代、尿とりパッド代、病衣貸与代、テレビ代といった、入院生活や患者さんの便宜に関わるものです。これらは、治療そのものというより、生活支援や利便性に関する費用として整理されています。 

また、診断書、証明書、診療録の開示関係、通訳料、薬剤や処方箋の郵送代なども、保険給付そのものではないため、通知上、実費徴収の例として明確化されています。

最近の実務では、外国人患者対応や郵送対応など、以前より現場で発生しやすい項目も増えているので、古い院内ルールのままにしておかないことが重要です。 

請求できないものは、「診療に含まれるもの」と考える

一方で、請求できないものもかなりはっきりしています。

典型的なのは、ガーゼ、絆創膏、手袋、縫合糸、分包紙、散剤カプセルなどです。これらは、処置や調剤、手技の中で当然に使われるものであり、診療報酬の中に包括されている考え方になります。

つまり、患者さんに別で請求する余地はありません。

同じように、シーツ代、冷暖房代、清拭用タオル代、おむつ処理費なども、医療機関が療養の場を提供するうえで当然に発生するコストに近く、患者さんへ自由に転嫁してよいものではありません。

ここは現場でも誤解が起きやすいところですが、「院内で使っている」「病棟で必要だから」というだけでは請求根拠にはなりません。 

そして特に注意したいのが、曖昧な名目でまとめて取ることはできないという点です。

「雑費」「施設管理料」「お世話料」といった表現は、制度上認められていません。

何に対する費用なのかが明確でない請求は、運用として非常に危険です。 

現場で迷いやすい3つの事例

実務で判断がぶれやすいのは、制度が難しいからというより、似ているものを同じように見てしまうからです。ここは、職員研修でもよく出るポイントです。 

1. おむつ代は請求できるのに、おむつ処理費はなぜ請求できないのか

これは、患者個人が使用する物そのものと、医療機関側の管理・処理コストを分けて考えると分かりやすいです。

おむつそのものは患者さんの使用物として整理できますが、その処理費用まで別に請求できるわけではありません。

同じ「おむつ関連」でも、性格が違うということです。 厚生労働省

2. 病衣貸与代は何でも請求できるのか

病衣貸与代は、一般的には日常生活上のサービスとして実費徴収の対象になり得ます。

ただし、手術や検査のために必要なものまで一律に患者負担にしてよいかというと、そう単純ではありません。

治療や検査の実施に不可欠なものは、保険診療側に含まれると考えるべき場面があるからです。

実務では、料金表に「何の目的の病衣なのか」が見えるようにしておくと安全です。 厚生労働省

3. 便利な対応なら、何でも実費で取ってよいのか

ここも誤解しやすいところです。

たとえば、通訳料、薬剤や処方箋の郵送代、院内託児サービス利用料、患者都合による検査キャンセルに伴う実損相当額などは、通知上、具体例として整理されています。

ただし、何でも勝手にメニュー化してよいわけではありません。通知の整理、自院の料金表、説明文書、同意手順が揃っていて初めて、安全な運用になります。 厚生労働省

実費徴収で本当に大切なのは「手続き」です

ここは強調しておきたいところです。

仮に内容として実費徴収できるものであっても、手続きが雑だと、運用としては危ういです。

厚生労働省は、費用徴収を行う場合、院内の見やすい場所への掲示、原則としてウェブサイトへの掲載、患者さんへの明確かつ懇切な説明、内容と料金を明示した文書による同意確認、さらに他の費用と区別した領収書の発行を求めています。 

つまり、現場で必要なのは「これは取れる」という知識だけではありません。

料金表に載っているか、説明できるか、同意書があるか、領収書の表記は明確か。

この4つがそろって初めて、実務として整っていると言えます。逆に言えば、どれか1つでも抜けていると、患者対応の場面で一気に苦しくなります。 

まとめ

「療養の給付と直接関係ないサービス等」は、制度の言葉だけを見ると少し難しく感じます。

ですが、現場での考え方はシンプルです。

保険診療に含まれるものは請求しない。

含まれないものでも、掲示・説明・同意・領収の手続きを整えたうえで徴収する。

まずはこの原則を、院内で同じ温度感で共有することが大切です。 

長年の慣行で続いている徴収が、いまの通知に照らすと見直し対象になることもあります。

だからこそ、制度改定や通知の追加整理を踏まえて、料金表、掲示、同意書、領収書表記を一体で見直すことが必要です。

特に近年は、ウェブサイト掲載の考え方も含めて、実務上の整備がより求められています。 

私としては、このテーマは単なる「請求可否」の話ではなく、患者さんにとって分かりやすい説明ができるかどうかの話でもあると思っています。

制度を知っているだけで終わらせず、現場で同じ説明ができる形まで落とし込む。そこまでできて、初めて実務として強い運用になります。

今回はここまでです。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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