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こんにちわ。

施設基準管理士、カジハヤトです。

令和8年度(2026年度)診療報酬改定の告示・説明資料が公表されました。

今回は精神科領域の中でも特に注目度の高い

  • 「情報通信機器を用いた精神療法の見直し」

について、病院職員の皆さんに向けて詳しく解説します。

施設基準の届出管理を担当されている方、精神科の医事担当者の方はぜひ最後までお読みください!

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本記事は2026年3月発出の告示に基づき作成しています。
実際の算定に際しては、最新の通知・解釈通知もご確認ください。

2026年度(令和8年度)診療報酬改定|情報通信機器を用いた精神療法の見直し|施設基準管理士が徹底解説

「2026年度診療報酬改定|情報通信機器を用いた精神療法の見直しを解説」を連想させる写真

 改定の背景と目的

今回の改定は、厚生労働省が策定した

「情報通信機器を用いた精神療法の適切な実施に関する指針」

の内容を踏まえ、オンラインで行う精神療法が

  • "適切かつ安全に"

実施されるよう、評価と要件の両面から大幅に見直されました。

今改定でついに初診時のオンライン精神療法が新たに評価されることになりました。

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初診でのオンライン診療が評価されるのは時代の流れでしょうか。

通院精神療法(情報通信機器使用)の点数一覧

改定前後を比較すると、以下のとおりです。

▼ 改定後の点数表(令和8年4月~)

区分 時間 点数
ロ 初診日(新設・見直し) 60分以上(精神保健指定医) 566点
ロ 初診日(新設) 30分以上(精神保健指定医) 479点
ハ 再診等(変更なし) 30分以上(精神保健指定医) 357点
ハ 再診等(変更なし) 30分未満(精神保健指定医) 274点

▼ 改定前との比較(現行)

区分 時間 点数
ロ 初診日 30分以上(精神保健指定医) 357点のみ
ハ 再診等 30分以上(精神保健指定医) 357点
ハ 再診等 30分未満(精神保健指定医) 274点

ポイント:初診日における60分以上の診療が新たに566点として設定され、30分以上との2区分制になりました。時間に応じた手厚い評価が導入されています。

算定要件(初診において行う場合)

初診からオンライン精神療法を算定するには、以下の厳格な要件をすべて満たす必要があります。

① 対象患者の要件

当該保険医療機関と連携体制を構築している精神保健福祉センター・保健所・市区町村機関等が訪問指導等を行っている、以下のいずれかに該当する方:

  • 未治療者
  • 治療中断者
  • ひきこもりの者等
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一般外来からのオンライン初診はNGです。
地域関係機関との連携が前提となります。

② 医師の経験要件

オンライン精神療法を10症例以上の経験を有する医師が診察を行うこと。

💡 経験のない医師が算定することはできません。医師ごとの症例管理が必要になります。

③ 患者の意思確認

患者自身に受診希望があること

💡 家族や支援機関からの要請だけでは不可。患者本人の意思が必須です。


④ 診察時の専門職同席要件

診察時に患者の側に、以下の専門職が同席していること(情報収集・情報共有が可能な状況):

  • 保健師
  • 精神保健福祉士
  • 作業療法士
  • 公認心理師
  • その他 精神保健福祉に携わる専門職

⚠️重要ポイント:患者の「そば」に専門職がいることが条件です。患者が自宅で一人で受診するケースは想定されていません。訪問指導を行っている機関の職員が同席する形が前提です。

施設基準の見直し(診療所向け)

施設基準管理士として特に注目したいのが、診療所における時間外対応要件の緩和措置です。

従来、診療所でこの算定を行うには独自の時間外対応体制が求められていましたが、今改定で

  • 「連携病院との連携」

によって要件を満たすことが可能になりました。

▼ 連携病院の条件

以下のいずれかの指定を受けている病院:

  • 精神科救急医療確保事業における常時対応型施設または病院群輪番型施設
  • 身体合併症救急医療確保事業における指定病院

▼ 連携要件(診療所が満たすべき条件)

要件 内容
① 共同指導の実施 1年に1回以上、連携病院の入院患者への共同指導を実施し、退院時共同指導料1または精神科退院時共同指導料1を算定していること
② 時間外・緊急対応 時間外・休日の対応と緊急時の入院受け入れを連携病院が行うこと。連携病院退院患者を診療所で受け入れること
③ 常時連絡体制 緊急時に連携病院から診療所へ常時連絡できる連絡先が伝えられていること
④ 院内掲示 連携病院名および連絡先を診療所内に掲示していること

実務ポイント:書面(覚書・協定書等)での連携合意だけでなく、「1年に1回以上の退院時共同指導料の算定実績」が必要です。名目上の連携ではNGです!

押さえるべきチェックリスト

今回の改定対応として、病院・診療所の事務担当者が確認すべきポイントをまとめます。

  •  算定する医師のオンライン精神療法の経験症例数(10症例以上)の確認・管理
  •  精神保健福祉センター・保健所・市区町村との連携体制の文書化
  •  診察時の専門職同席に関する記録・確認方法の整備
  •  診療所の場合:連携病院の特定と協定書の締結
  •  退院時共同指導料の算定実績の記録管理
  •  院内への連携病院名・連絡先の掲示

まとめ

今回の「情報通信機器を用いた精神療法の見直し」は、ひきこもりや治療中断者など受診困難な方への支援を社会全体で担うという方向性を明確に打ち出した改定です。

単純にオンライン診療の点数が上がっただけでなく、

  1. 地域連携
  2. 専門職連携
  3. 医師の経験要件

という3つの柱が算定要件として設定された点が特徴的です。

施設基準の届出にあたっては、「要件の形式的な充足」ではなく、実態ある連携体制の構築が問われることになります。

今回はここまでです。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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