こんにちは。
施設基準管理士、カジハヤトです。
令和8年度(2026年度)診療報酬改定において、
- 入院時の食費・光熱水費の基準額
が引き上げられます。
施行日は 令和8年6月1日。
病院の事務・管理部門にとって、患者への説明対応や請求業務に直結する重要な改定です。
今回はこの改定の背景から、入院時食事療養(Ⅰ)・(Ⅱ)、入院時生活療養(Ⅰ)・(Ⅱ)の具体的な費用額の変化まで、わかりやすく整理します。
本記事は2026年3月発出の告示に基づき作成しています。実際の算定に際しては、最新の通知・解釈通知もご確認ください。
2026年度診療報酬改定|入院時食事療養費・生活療養費の改定ポイントを解説!入院時の食費・光熱水費が変わります!

① なぜ今回の引き上げが必要なのか?——改定の背景
食材料費・光熱水費の高騰は、病院給食を直撃してきました。近年の経緯を振り返ると:
| 時期 | 改定内容 |
|---|---|
| 令和6年6月(R6改定) | 基準額 +30円(1食あたり) |
| 令和7年4月(期中改定) | 基準額 +20円(1食あたり) |
| 令和8年6月(R8改定) | 基準額 +40円(1食あたり) |
令和6~7年で合計50円の引き上げを実施したにもかかわらず、CPI(食料)の継続的上昇や給食委託業者からの値上げ要請が後を絶たない状況が中医協でも報告されました。
令和8年6月改定の+40円は、物価上昇率(約6.5%)を自己負担額に乗じた目安(約33円)に調理・提供コストを加味したものとされています。
光熱水費については、入院時生活療養費における光熱水費の基準額が平成18年(2006年)の創設以来、約20年間据え置かれていたという事実があります。今回の改定でようやく現実の水準に近づけられる形となります。
② 入院時食事療養(Ⅰ)・(Ⅱ)とは?
まず「(Ⅰ)」と「(Ⅱ)」の違いを確認しておきましょう。
▌入院時食事療養(Ⅰ)の算定要件(主なもの)
- 常勤の管理栄養士または栄養士が食事管理に携わっていること
- 毎食の検食が実施されていること
- 保温食器等の使用
- 特別食への対応が可能なこと
- 帳簿・記録類の整備
▌入院時食事療養(Ⅱ)
(Ⅰ)の施設基準を満たしていない医療機関が算定します。費用額が(Ⅰ)より低く設定されています。
▌費用額の改定(1食あたり)
| 区分 | 現行 | 改定後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 食事療養(Ⅰ)通常 | 690円 | 730円 | +40円 |
| 食事療養(Ⅰ)流動食のみ | 625円 | 665円 | +40円 |
| 食事療養(Ⅱ)通常 | 556円 | 596円 | +40円 |
| 食事療養(Ⅱ)流動食のみ | 510円 | 550円 | +40円 |
(Ⅰ)・(Ⅱ)ともに一律+40円。流動食も同額の引き上げです。
③ 入院時生活療養(Ⅰ)・(Ⅱ)とは?
入院時生活療養費は、療養病床に入院する65歳以上の患者に適用される制度です。「食費」と「光熱水費(居住費)」の2つの要素から構成されます。
▌入院時生活療養(Ⅰ)の算定要件(主なもの)
- 管理栄養士または栄養士による食事の管理
- 適切な温度・照明・給水環境の整備
- (食事療養(Ⅰ)に準じた体制)
▌入院時生活療養(Ⅱ)
(Ⅰ)の要件を満たさない施設が算定します。
▌費用額の改定
🍽️ 食事の提供たる療養(1食あたり)
| 区分 | 現行 | 改定後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 生活療養(Ⅰ)イ:通常の食事 | 604円 | 644円 | +40円 |
| 生活療養(Ⅰ)ロ:流動食のみ | 550円 | 590円 | +40円 |
| 生活療養(Ⅱ):食事の提供 | 470円 | 510円 | +40円 |
💡 温度・照明・給水に関する適切な療養環境の形成(1日あたり)
| 区分 | 現行 | 改定後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 生活療養(Ⅰ)(Ⅱ)共通 | 398円 | 458円 | +60円 |
光熱水費(居住費)は食事と別枠で1日+60円の引き上げ。(Ⅰ)・(Ⅱ)ともに同額改定です。
④ 患者の自己負担額(標準負担額)はどう変わる?
患者への説明が必要な部分です。入院案内や説明書類の更新が必要になります。
▌食費の標準負担額(1食あたり)
| 所得区分 | 現行 | 改定後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 一般所得者 | 510円 | 550円 | +40円 |
| 住民税非課税世帯 | 240円 | 270円 | +30円 |
| 住民税非課税・所得が一定基準未満の70歳以上 | 110円 | 130円 | +20円 |
低所得者ほど引き上げ幅が小さく設定されています(配慮措置)。
▌光熱水費の自己負担額(1日あたり)※療養病床65歳以上
| 区分 | 現行 | 改定後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 原則(一般) | 370円 | 430円 | +60円 |
| 指定難病患者等 | 0円 | 0円(据え置き) | 変更なし |
まとめ
| 項目 | 改定内容 | 施行日 |
|---|---|---|
| 食事療養(Ⅰ)(Ⅱ)食費 | 1食あたり+40円 | 令和8年6月1日 |
| 生活療養(Ⅰ)(Ⅱ)食費 | 1食あたり+40円 | 令和8年6月1日 |
| 生活療養(Ⅰ)(Ⅱ)光熱水費 | 1日あたり+60円 | 令和8年6月1日 |
食材費・光熱水費の高騰が続く中、今回の改定は病院給食部門にとって一定の追い風となります。
一方で、患者負担の増加に対しては丁寧な説明が求められます。
「なぜ上がるのか」をきちんと伝えることが、患者との信頼関係の維持につながります。
1日で考えたら120円の値上げですからね、患者さんや患者さんの家族にはきついです
今回はここまでです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。







