こんにちわ。
施設基準管理士、カジハヤトです。
令和8年度診療報酬改定の告示・通知が発表され、いよいよ2026年6月以降の対応準備が本格化してきましたね。
今回の改定では「医療DX」が大きなテーマとなっており、電子処方箋をめぐる新しい評価が多数登場しています。
そのなかで今回ピックアップするのが、
「遠隔電子処方箋活用加算」の新設
です。
オンライン診療・電子処方箋の発行を行っている医療機関は算定できる病院・できない病院の違いが何かを、今のうちにしっかり整理しておきましょう!
本記事は2026年3月発出の告示に基づき作成しています。
実際の算定に際しては、最新の通知・解釈通知もご確認ください。
目次
2026年度(令和8年度)診療報酬改定|遠隔電子処方箋活用加算が新設!病院はどう対応する?

遠隔電子処方箋活用加算とは?
まずは基本情報から整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加算名 | 遠隔電子処方箋活用加算 |
| 区分 | 新設(令和8年度改定) |
| 点数 | 10点 |
| 算定回数 | 月に1回に限り |
| 対象 | 情報通信機器を用いた医学管理(オンライン診療等)を実施した場合 |
「10点=100円」と聞くと小さく感じるかもしれません。でも月1回、対象患者が積み重なれば侮れない金額になります。
新設の背景:なぜ今この加算が必要なのか?
今回のこの加算が設けられた趣旨は、厚生労働省の説明資料に明記されています。
「オンライン診療のさらなる利便性の向上と、電子処方箋システムを活用した質の高い処方を評価する観点から」 新設
つまり、この加算には2つの目的があります。
① オンライン診療の利便性向上 患者が自宅から診療を受け、そのまま近くの薬局に電子処方箋データが届く。この「シームレスな医療」を後押しするための評価です。
② 重複投薬チェックによる処方の質向上 オンライン診療では対面診療と違い、他院の処方情報が把握しにくいという課題があります。電子処方箋管理サービスを活用することで、重複投薬・相互作用チェックを確実に行い、処方の安全性を担保することが求められています。
算定要件の詳細解説:ア・イ・ウの3要件をクリアせよ
算定するためには、以下の3つの要件すべてを満たす必要があります。
🔴 要件ア|重複投薬等チェックの実施
電子処方箋管理サービスを用いて最新の薬剤情報を確認し、処方情報の登録時に重複投薬等チェック機能を活用すること
ポイントは「最新の薬剤情報を確認」という部分です。お薬手帳の内容を口頭で確認するのではなく、電子処方箋管理サービスにアクセスして、システム上でチェックすることが求められています。
🟡 要件イ|薬局の電子処方箋対応確認
患者に対し、調剤を行う保険薬局を事前に確認し、当該保険薬局が電子処方箋に対応する体制があることを確認すること
これは少し手間のかかる要件です。
患者が希望する薬局が電子処方箋に対応していない場合、この加算は算定できません。
▶ 実務上は、オンライン診療の予約時または診察前に「どこの薬局を利用しますか?」と確認し、その薬局の電子処方箋対応状況をチェックするフローを事前に構築しておく必要があります。
💡 ヒント:電子処方箋対応薬局は「電子処方箋対応薬局マップ」などで確認できます。患者に事前案内する際の資料として活用しましょう。
🟢 要件ウ|電子処方箋(純粋なデータ)の発行
電子処方箋(引換番号が印字された紙の処方箋を除く。)を発行すること
ここが重要なポイントです!
- 「引換番号が印字された紙の処方箋」では算定不可
です。
つまり、患者のスマートフォンやマイナポータルなどを通じて受け取る真の電子処方箋(データ)を発行しなければなりません。紙に引換番号を印刷して渡す運用は、この加算の対象外となります。
施設基準の解説:3つの基準を整備せよ
算定するためには、施設基準の届出も必要です。
以下の3点を整備・確認してください。
✅ 施設基準(1)|院外処方の場合
原則として、電子処方箋を発行し、又は引換番号が印字された紙の処方箋を発行し処方情報の登録を行っていること
院外処方を行っている病院では、電子処方箋または引換番号付き処方箋のいずれかを発行していることが前提条件です。まだ電子処方箋に対応していない場合は、今後の対応が必須になってきます。
でも、前述したように引換番号が印字された紙の処方箋」では算定不可なんですよ!
✅ 施設基準(2)|院内処方の場合
原則として、医療機関内で調剤した薬剤の情報を電子処方箋管理サービスに登録を行っていること
院内処方の場合も、調剤した薬剤情報を電子処方箋管理サービスへ登録していることが求められます。
「院内処方だから関係ない」ではないことに注意しましょう。
✅ 施設基準(3)|ウェブサイト掲示
電子処方箋対応医療機関であることをウェブサイトで掲示していること
自院のウェブサイトに「当院は電子処方箋対応医療機関です」という旨を掲示する必要があります。掲示内容の確認・更新を担当部署(広報・医事課など)と連携して対応しましょう。
まとめ
今回の「遠隔電子処方箋活用加算(10点)」は、単独で見れば小さな加算ですが、今後の医療DX推進の流れを考えると、電子処方箋対応体制の整備は避けて通れない課題です。
令和8年度改定は「仕組みを整える段階」から「実際に活用しているかどうかを評価する段階」へのシフトとも言えます。
この加算を足がかりに、自院の電子処方箋活用体制を見直す機会にしていただければと思います。
📝 今回のまとめ
- 遠隔電子処方箋活用加算 新設・10点・月1回
- 算定要件はア(重複チェック)・イ(薬局対応確認)・ウ(電子処方箋発行)の3要件すべて
- 施設基準は院外処方・院内処方・ウェブサイト掲示の3点
- 今すぐ「電子処方箋対応状況」と「オンライン診療の算定状況」を確認しよう!
今回はここまでです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。






