こんにちは。
施設基準管理士、カジハヤトです。
光熱水費、医療材料費、食材費……病院経営を直撃するコスト上昇は、もはや「一時的な現象」では済まされなくなっています。
ところが診療報酬は公定価格ゆえ、個々の医療機関が「コストが上がったから価格を上げよう」という自由な判断ができません。
こうした状況に対して、令和8年度診療報酬改定(2026年6月施行)では、
2年間かけて段階的に物価高騰へ対応するための新加算 「物価対応料」
が新設されました。
段階的な加算って今回の改定が初めてじゃないですかね。
この記事では、病院の現場スタッフや事務職員の皆さんが押さえるべきポイントを、施設基準管理士の視点からわかりやすく解説します。
本記事は2026年2月13日時点の答申資料に基づき作成しています。
最終的な点数や算定要件は、厚生労働省より発出される告示・通知をご確認ください。
目次
2026年度診療報酬改定|新設「物価対応料」をわかりやすく解説します!

物価対応料とは?─制度の全体像
物価対応料は「加算」として設計されています。
基本診療料・入院基本料等に上乗せする形で算定するもので、特別な新たな施設基準の届出は(現時点の答申情報では)必要ないと考えられています。
つまり、
- 現在、入院基本料や再診料等を算定しているすべての医療機関が算定対象
となる、非常に影響の大きな新加算です。
令和8年度及び令和9年度の物価上昇に段階的に対応するため、基本診療料・調剤基本料等の算定に併せて算定可能な加算として、物価対応料を新設する。
中医協答申資料(個別改定項目)より
【医科】物価対応料の点数一覧
① 外来・在宅物価対応料(1日につき)
| 区分 | R8.6〜R9.5 | R9.6以降 |
|---|---|---|
| イ 初診時 | 2点 | 4点 |
| ロ 再診時等 | 2点 | 4点 |
| ハ 訪問診療時 | 3点 | 6点 |
外来・在宅については非常にシンプルな構成です。
初診も再診も同じ2点。訪問診療は3点です。
令和9年6月以降はそれぞれ2倍になります。
② 入院物価対応料(1日につき)
入院は、算定している入院料の区分によって点数が異なります。
| 算定する入院料 | R8.6〜R9.5 | R9.6以降 |
|---|---|---|
| 急性期病院A一般入院料 | 66点 | 132点 |
| 急性期病院B一般入院料(看護・多職種協働加算なし) | 58点 | 116点 |
| 急性期病院B一般入院料(看護・多職種協働加算あり) | 58点 | 116点 |
| 急性期一般入院料1 | 58点 | 116点 |
| 急性期一般入院料2 | 45点 | 90点 |
| 急性期一般入院料3 | 45点 | 90点 |
| 急性期一般入院料4(看護・多職種協働加算なし) | 45点 | 90点 |
| 急性期一般入院料4(看護・多職種協働加算あり) | 58点 | 116点 |
| 急性期一般入院料5 | 36点 | 72点 |
| 急性期一般入院料6 | 34点 | 68点 |
| 地域一般入院料1 | 32点 | 64点 |
| 地域一般入院料2 | 32点 | 64点 |
| 地域一般入院料3 | 23点 | 46点 |
| 特別入院基本料(一般病棟) | 17点 | 34点 |
ん?これだけ?
と思いきや、
※その他の入院料等を算定する場合についても同様に対応する。
中医協答申資料(個別改定項目)より
とありますので、改めて通知があるものと思われます。
よかった、精神科関連はないのかと思いました。
算定要件のポイント
外来・在宅物価対応料の算定要件はシンプルです。
- 初診時(イ):入院中の患者以外に初診を行った場合
- 再診時等(ロ):入院中の患者以外に再診、または短期滞在手術等基本料1を算定する手術・検査を行った場合
- 訪問診療時(ハ):在宅で療養中の通院困難な患者に訪問診療を行った場合
入院物価対応料については、
- 第2部第1節の入院基本料(特別入院基本料等を含む)、特定入院料、または短期滞在手術等基本料(基本料1を除く)を算定している患者に対し、算定している入院料の区分に応じた点数を算定します。
最重要ポイント:令和9年6月から「2倍」になる!
物価対応料の最も重要な特徴が「2段階の引き上げ」です。
- R8年6月 ▶ R9年5月末 :通常点数(上記点数表のとおり)
- R9年6月以降 :所定点数の 100分の200を算定
100分の200って2倍のことです・・・。
まとめ
物価対応料は、令和8年6月より新設される
- 全医療機関が算定対象となる加算
です。
さらに令和9年6月以降は点数が2倍になる2段階設計となっており、病院経営への貢献は長期にわたります。
また、答申の内容を見る限り、物価対応料は新たな施設基準の届出なしに算定できる加算として設計されているとみられます。
ただし詳細な算定要件や届出の要否については、3月上旬予定の告示・通知を必ずご確認ください。
今回はここまでです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。






