こんにちわ。
施設基準管理士、カジハヤトです。
今回は2024年(令和6年)診療報酬改定で新設された、医療DX推進体制整備加算についてわかりやすく解説しようと思います。
この記事は医療DX推進体制整備加算について知りたい方にオススメの記事です。
本記事は私がわかりやすさ重視でまとめています。
実際に届け出、算定するときは厚労省の発表をよく確認してくださいね。
目次
診療報酬・施設基準2024改定|医療DX推進体制整備加算(新設)について解説
概要
医療DX推進体制整備加算は
- オンライン資格確認により取得した診療情報・薬剤情報を実際に診療に活用可能な体制を整備
- 電子処方箋及び電子カルテ情報共有サービスを導入
により質の高い医療を提供するため医療 DX に対応する体制を確保している場合の評価として新設されました。
国は医療DXを推進しています。
他業種に比べ、医業はDXが遅れています。
以下、診療報酬、施設基準をみていきます。
診療報酬(告示)
16 医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関を受診した患者に対して初診を行った場合は、医療DX推進体制整備加算として、月1回に限り8点を所定点数に加算する。
箇条書きに分解してみていきます。
●16
初診料の注16になります。
●医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関です。
●その医療機関を受診した患者に対してです。
●そして、それは初診の場合です。
●医療DX推進体制整備加算として、月1回に限り8点を所定点数に加算できます。
初診料に対する加算なんで、新患がどんどん来る医療機関ではないと利点は少ないかもしれません。
診療報酬(通知)
医療DX推進体制整備加算
「注 16」に規定する医療DX推進体制整備加算は、オンライン資格確認により取得した診療情報・薬剤情報等を実際の診療に活用できる体制を有するとともに、電子処方箋及び電子カルテ情報共有サービスを導入するなど、質の高い医療を提供するため医療DXに対応する体制を評価するものであり、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長等に届け出た保険医療機関を受診した患者に対して初診を行った場合に、月1回に限り8点を所定点数に加算する。
箇条書き分解してみます。
●医療DX推進体制整備加算です。
●医療DX推進体制整備加算は初診料の「注 16」に規定されています。
●医療DX推進体制整備加算はオンライン資格確認により取得した診療情報・薬剤情報等を実際の診療に活用できる体制を有する必要があります。
●医療DX推進体制整備加算は電子処方箋及び電子カルテ情報共有サービスを導入する必要があります。
●質の高い医療を提供するため医療DXに対応する体制を評価するものです。
これらが体制に対する要件です。
●別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長等に届け出た保険医療機関です。
届け出が必要ですよ!
●その医療機関を受診した患者に対して初診を行った場合に、月1回に限り8点を所定点数に加算する。
初診で月1回、8点か・・・。
施設基準(告示)
三の八医療DX推進体制整備加算の施設基準
(1) 療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令第一条に規定する電子情報処理組織の使用
による請求を行っていること。
(2) 健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認を行う体制を有していること。
(3) 医師又は歯科医師が、健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認を利用して取得した診療情報を、診療を行う診察室、手術室又は処置室等において、閲覧又は活用できる体制を有していること。
(4) 電磁的記録をもって作成された処方箋を発行する体制を有していること。
(5) 電磁的方法により診療情報を共有し、活用する体制を有していること。
(6) 健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認に係る実績を一定程度有していること。
(7) 医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得し、及び活用して診療を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。
(8) (7) の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。
それぞれ、見ていきます。
●DX推進体制整備加算の施設基準
●療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令第一条に規定する電子情報処理組織の使用
による請求を行っていること。
オンライン請求のことですね。
●健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認を行う体制を有していること。
オンライン資格確認のことですね。
●医師又は歯科医師が、健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認を利用して取得した診療情報を、診療を行う診察室、手術室又は処置室等において、閲覧又は活用できる体制を有していること。
診察室で情報を閲覧できないといけません。私の勤務する医療機関ではこれができていません。
電子カルテ導入してませんからね。難しいんです。紙で印刷すると言うのもね・・・。
● 電磁的記録をもって作成された処方箋を発行する体制を有していること。
電子処方箋のことですね。
●電磁的方法により診療情報を共有し、活用する体制を有していること。
これも電子カルテじゃないと難しいかと・・・。
●健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認に係る実績を一定程度有していること。
●医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得し、及び活用して診療を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。
掲示の要件ですね。
●上記掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。
HPにも掲載する必要があります。
施設基準(通知)
第1の9 医療DX推進体制整備加算
1 医療DX推進体制整備加算に関する施設基準
(1) 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。
(2) オンライン資格確認を行う体制を有していること。なお、オンライン資格確認の導入に際しては、医療機関等向けポータルサイトにおいて、運用開始日の登録を行うこと。
(3) オンライン資格確認等システムの活用により、患者の薬剤情報、特定健診情報等(以下この項において「診療情報等」という。)を診療を行う診察室、手術室又は処置室等(以下「診察室等」という。)において、医師等が閲覧又は活用できる体制を有していること。
(4) 「電子処方箋管理サービスの運用について」(令和4年 10 月 28 日付け薬生発 1028 第1号医政発 1028 第1号保発 1028 第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長・医政局長・保険局長通知。)に基づく電子処方箋により処方箋を発行できる体制を有していること。
(5) 国等が提供する電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報等を活用する体制を有していること。
(6) マイナ保険証の利用率が一定割合以上であること。
(7) 医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得・活用して診療を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。具体的には次に掲げる事項を掲示していること。
ア 医師等が診療を実施する診察室等において、オンライン資格確認等システムにより取得した診療情報等を活用して診療を実施している保険医療機関であること
イ マイナ保険証を促進する等、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいる保険医療機関であること。
ウ 電子処方箋の発行及び電子カルテ情報共有サービスなどの医療DXにかかる取組を実施している保険医療機関であること。
(8) (7)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。自ら管理するホームページ等を有しない場合については、この限りではないこと。
2 届出に関する事項
(1) 医療DX推進体制整備加算の施設基準に係る届出は、別添 7 の様式1の6を用いること。
(2) 1の(4)については、令和7年3月 31 日までの間に限り、1の(5)については令和7年9月 30 日までの間に限り、それぞれの基準を満たしているものとみなす。
(3) 1の(6)については、令和6年 10 月1日から適用する。なお、利用率の割合については別途示す予定である。
(4) 令和7年9月 30 日までの間に限り、1の(7)のウの事項について、掲示を行っているものとみなす。
(5) 1の(8)については、令和7年5月 31 日までの間に限り、当該基準を満たしているものとみなす。基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第5号より引用
それぞれ見ていきます。
■1 医療DX推進体制整備加算に関する施設基準です。
●(1) 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。
オンライン請求のことですね。
●(2) オンライン資格確認を行う体制を有していること。なお、オンライン資格確認の導入に際しては、医療機関等向けポータルサイトにおいて、運用開始日の登録を行うこと。
オンライン資格確認。マイナ保険証のカードリーダーとか設置する必要があります。
そのうえで導入日をポータルサイトに登録してください。
●(3) オンライン資格確認等システムの活用により、患者の薬剤情報、特定健診情報等(以下この項において「診療情報等」という。)を診療を行う診察室、手術室又は処置室等(以下「診察室等」という。)において、医師等が閲覧又は活用できる体制を有していること。
オンライン資格確認で得た情報を診察室でも見れるようにして置かなければなりません。
診察室のもネットワークにつながったPCがないと厳しいかもです。電カルでないといけないというわけではないようです。
因み私の勤務する医療機関ではここができていないので現状、基準を満たせません。
●(4) 「電子処方箋管理サービスの運用について」(令和4年 10 月 28 日付け薬生発 1028 第1号医政発 1028 第1号保発 1028 第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長・医政局長・保険局長通知。)に基づく電子処方箋により処方箋を発行できる体制を有していること。
電子処方箋のことですね。
●(5) 国等が提供する電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報等を活用する体制を有していること。
電子カルテ情報共有サービス、これはまだ始まっていません。
後ほど説明しますが、猶予措置が設けられています。
●(6) マイナ保険証の利用率が一定割合以上であること。
これはポータルサイトで確認できるようです。
●(7) 医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得・活用して診療を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。具体的には次に掲げる事項を掲示していること。
掲示の要件です。
◇ア 医師等が診療を実施する診察室等において、オンライン資格確認等システムにより取得した診療情報等を活用して診療を実施している保険医療機関であること
◇イ マイナ保険証を促進する等、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいる保険医療機関であること。
◇ウ 電子処方箋の発行及び電子カルテ情報共有サービスなどの医療DXにかかる取組を実施している保険医療機関であること。
これらの事項を掲示する必要があります。
●(8) (7)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。自ら管理するホームページ等を有しない場合については、この限りではないこと。
院内掲示するだけではダメで、HPにも掲載する必要があります。
■2 届出に関する事項
●(1) 医療DX推進体制整備加算の施設基準に係る届出は、別添 7 の様式1の6を用いること。
届け出には専用の様式があります。
●(2) 1の(4)については、令和7年3月 31 日までの間に限り、1の(5)については令和7年9月 30 日までの間に限り、それぞれの基準を満たしているものとみなす。
1の(4)は電子処方箋、1の(5)は電子カルテ共有サービスです。
●(3) 1の(6)については、令和6年 10 月1日から適用する。なお、利用率の割合については別途示す予定である。
普及状況をみて判断するのでしょう。
●(4) 令和7年9月 30 日までの間に限り、1の(7)のウの事項について、掲示を行っているものとみなす。
電子処方箋と電子カルテ共有サービスに関する掲示のみなし要件ですね。
確かに今、掲示しても何のことかわかんないんで、混乱するかもです。
●(5) 1の(8)については、令和7年5月 31 日までの間に限り、当該基準を満たしているものとみなす。
ウェブサイトの掲示に関してもみなしがあります。
みなしが多いですね。
まとめ
医療DX推進体制整備加算について見てみました。
条件を満たしたうえで、
- 医療DX推進体制整備加算:8点(月1回、初診に限り加算)
が算定できます。
医療DXに関しては、現在進行中ですので、みなしの要件がたくさんあります。
初診時の加算ですので、初診の患者さんの多い医療機関でないとそこもでの恩恵は得られないかもしれません。
今回はここまでです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。