こんにちは【精神科病院用務員】梶隼人です。
私は、実際に精神科病院で用務員をしながら帳簿をみています。
今回はそんな私が、精神科病院の経営が安定している理由を紹介します。
タイトルで言っちゃっていますけど、めちゃくちゃ安定しています。
転職するならおすすめの職場ですよ。
目次
精神科病院の経営が安定していると言える5つの理由
今回紹介する精神科病院の経営が安定していると言える5つの理由は以下です。
- 大規模な設備投資の必要がない。
- 未収金が発生しにくい。
- 再診率が高い。
- 薬価引き下げの影響をうけにくい。
- 入院中の保険外負担費用が多い。
です。
順に説明していきます。
大規模な設備投資は必要ない
精神科病院は設備投資が少なくて済みます。
ぶっちゃけ、精神科病院で治療の中心となる、精神療法もカウンセリングも薬物療法にしても高額な機械とか必要ありません。
建物の中にも、手術室やICUを作る必要はありません。
大規模な設備投資がなくても、医療が行えることは安定した経営につながるのです。
実際、この理由から精神科医は他の診療科に比べ独立開業がし易く、人気があります。
未収金が発生しにくい
医療経営において経営を圧迫する未収金問題が切実なものとなっています。
しかし、精神科病院ではこの未収金があまり発生しません。(他の診療科と比べて)
ここでいう未収金とは患者さんが窓口で支払ってくれないお金(自己負担分)のことです。
理由は、精神科病院の患者さんは生活保護を受給している割合が高いからです。
これは、精神科病院の患者さんはこころの病を患った結果、収入が得られず、生活保護を受けるケースが多いということに起因します。
生活保護を受給している患者さんは、基本的には、窓口で支払うお金がないので、そもそも未収金は発生しません。
支払う必要がないということです。
ですので、未収金が病院経営を圧迫する可能性が低いのです。
再診率が高い
こころの病は、継続的な治療が必要になります。
カゼとかみたいに、1週間とかで完治しないと言うことです。
ですので、患者さんにはどうしても定期的に通院していただく必要があります。
これが、再診率が高いことにつながります。
このことは、こころの病のやっかいなところなのですが、病院経営にはプラスに働きます。
一般病院ですと、患者さんの数が少ないのは致命的ですが、精神科病院はこの理由から患者さんは多くなります。
薬価引き下げの影響をうけにくい
2年に1度の診療報酬改定で薬価が引き下げられることがあります。
基本的には薬価が引き下げられると、薬価差益が小さくなりますので、病院経営には結構マイナスです。
※薬価差益:卸からの仕入れ値と公定価格である薬価の差額
しかしながら、多くの精神科病院は、「包括払い」に対応する病棟を持っています。
これは、認知症治療病棟や精神療養病棟の報酬支払いシステムが該当します。
どういったシステムがざっくり言うと、「行った医療行為の多少に関わらず、1日の入院料が決められている」
という報酬支払いシステムです。
これだと、始めから、1日の入院料が決められているのだから、薬価が下がった分お得ですよね。
差益は得られないけど、仕入れが小さくなる分、収支にはプラスに働きます。
このことを、知らない経営者を診療報酬改定説明会等で見かけます。
逆に、「包括払い」ではなく、行った診療行為の分だけ、報酬が高くなるものを「出来高払い」といいます。
多くので精神科病院では、この「包括払い」と「出来高払い」の病棟を持っています
なので、結局のところ、薬価の引き下げは病院経営に大きな影響を与えません。
入院中の保険外負担費用が多い
精神科病院での入院中の保険外負担費用とは入院中に発生する
- 洗濯料
- 小遣管理料(預り金取扱い手数料)
- おむつ代
等です。
これらは、保険の対象外ですので、保険外負担費用と呼ばれます。
もちろん、これらは患者さん自身や、家族の方が行われるのであれば発生しません。
ですが、こころの病の患者さんは、自分で行うのが困難な場合が多くスタッフが代行することになります。
ですので、精神科病院ではこれらの収益が他の病院より大きくなる傾向にあります。
小遣管理料(預り金取扱い手数料)などは精神科病院特有です。
私が精神科病院に就職して驚いた項目の一つです。
まとめ
これらの理由から、私は精神科病院の経営は他の病院より安定していると思います。
ほかにも、精神科病院待合室の自販機はよく売れるなど細かい利点もあります。
このことは、詳しく記事を作成しています。
こちらから
今回は最後までお読みいただきありがとうございました。