こんにちわ。

施設基準管理士、カジハヤトです。

1月~2月、2024年度点数改定の「個別改定項目(案)」が示されました。

今回はこの中から「精神疾患を有する者の地域移行・地域定着に向けた重点的な支援を提供する病棟の評価の新設(案)」について見ていこうと思います。

この記事は「精神疾患を有する者の地域移行・地域定着に向けた重点的な支援を提供する病棟の評価の新設(案)について興味のある方にオススメの記事です。

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本記事は私がわかりやすさ重視でまとめています。
実際に届け出、算定するときは厚労省の発表をよく確認してくださいね。

診療報酬改定2024(令和6年)精神科地域包括ケア病棟入院料新設について解説!精神疾患を有する者の地域移行・地域定着に向けた重点的な支援を提供する病棟の評価

精神科地域包括ケア病棟入院料新設を連想させる写真

精神疾患を有する者の地域移行・地域定着に向けた重点的な支援を提供する病棟の評価の新設は「安心・安全で質の高い医療の推進」の中の「地域移行・地域生活支援の充実を含む質の高い精神医療の評価」の項目です。

精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進する観点から、精神疾患を有する者の地域移行・地域定着に向けた重点的な支援を提供する精神病棟について、新たな評価を行う。

中央社会保険医療協議会「個別改定項目(答申)」より引用

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地域包括ケア病棟の精神科バージョンでしょうね。急性期から地域へを支援する病棟の評価でしょう。

  • (新) 精神科地域包括ケア病棟入院料(1日につき) 1,535 点

具体的な内容

精神疾患患者の地域移行・地域定着を推進する観点から、多職種の重点的な配置、在宅医療の提供実績、自宅等への移行率の実績、診療内容に関するデータの提出等の施設基準を設定した病棟の評価を新設する。

中央社会保険医療協議会「個別改定項目(答申)」より引用

  • (新) 精神科地域包括ケア病棟入院料(1日につき) 1,535 点

算定要件

以下中央社会保険医療協議会「個別改定項目(答申)」より引用

(1)別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る精神病棟に入院している患者について、区分番号A311に掲げる精神科救急急性期医療入院料、区分番号A311-2に掲げる精神科急性期治療病棟入院料及び区分番号A311-3に掲げる精神科救急・合併症入院料を算定した期間と通算して180 日を限度として、所定点数を算定する。ただし、当該病棟に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない場合は、区分番号A103に掲げる精神病棟入院基本料の注2に規定する特別入院基本料の例により算定する。

急性期系病棟から当該病棟へ転棟。当該病棟での入院料算定期間は急性期系病棟の入院期間を含めて180日以内ということでしょう。

当該病棟で算定要件を満たさない場合の、入院料も準備されています。それが精神病棟入院基本料の注2に規定する特別入院基本料。

(2)当該病棟に転棟若しくは転院又は入院した日から起算して 90 日間に限り、自宅等移行初期加算として、100 点を加算する。

初期に手厚い。今回の改定でこの手は多い印象です。

(3)過去1年以内に、当該入院料又は(2)に規定する加算を算定した患者については、(1)又は(2)に規定する期間の計算に当たって、直近1年間に当該入院料又は当該加算を算定していた期間を180 日又は 90 日に算入するものとする。

簡単に言うと、短期間の入退院の繰り返しはダメということですね。

(4)区分番号A103に掲げる精神病棟入院基本料の 15 対1入院基本料、18 対1入院基本料並びに 20 対1入院基本料、区分番号A312に掲げる精神療養病棟入院料、区分番号A314に掲げる認知症治療病棟入院料及び区分番号A318に掲げる地域移行機能強化病棟入院料を届け出ている病棟から、当該病棟への転棟は、患者1人につき1回に限る。

急性期系以外の病棟からの転棟は明確に一人1回だそうです。

(5)当該病棟に入院している統合失調症の患者に対して、計画的な医学管理の下に非定型抗精神病薬による治療を行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合には、当該患者が使用した1日当たりの抗精神病薬が2種類以下の場合に限り、非定型抗精神病薬加算として、1日につき 15 点を所定点数に加算する。

非定型抗精神病薬の加算ですね。

施設基準

以下中央社会保険医療協議会「個別改定項目(答申)」より引用

(1)主として地域生活に向けた重点的な支援を要する精神疾患を有する患者を入院させ、精神病棟を単位として行うものであること。

(2)医療法施行規則第十九条第一項第一号に定める医師の員数以上の員数が配置されていること。

医療法の医師員数です。

(3)医療法施行規則第十九条第二項第二号に定める看護師及び准看護師の員数以上の員数が配置されていること。

医療法の看護師及び准看護師の員数です。

(4)当該病棟を有する保険医療機関において、常勤の精神保健指定医が二名以上配置され、かつ、当該病棟に専任の常勤精神科医が一名以上配置されていること。

医師の配置は専任でOKです。

(5)当該病棟において、一日に看護を行う看護職員、作業療法士、精神保健福祉士及び公認心理師の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が十三又はその端数を増すごとに一以上であること。

(6)(5)の規定にかかわらず、作業療法士、精神保健福祉士又は公認心理師の数は、一以上であること。

作業療法士、精神保健福祉士、公認心理師の配置が必要です。多職種ですからね。

(7)(5)の規定にかかわらず、当該病棟において、一日に看護を行う看護職員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が十五又はその端数を増すごとに一以上であること。

(8)当該病棟において、看護職員の最小必要数の四割以上が看護師であること。

(9)夜勤については、(5)の規定にかかわらず、看護職員の数が二以上であること。

(10)当該地域における精神科救急医療体制の確保に協力するにつき必要な体制及び実績を有している保険医療機関であること。

(11)精神障害者の地域生活に向けた重点的な支援を行うにつき十分な体制及び実績を有していること。

(12)当該保険医療機関において、入院患者の退院に係る支援に関する部門が設置されていること。

部門の設置が必要です。

(13)入院患者の退院が着実に進められている保険医療機関であること。

(14)精神障害者の地域生活を支援する関係機関等との連携を有していること。

(15)データ提出加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。

データ提出加算って診療録管理体制加算の届け出も必要です。

経過措置

以下中央社会保険医療協議会「個別改定項目(答申)」より引用

(1)令和6年3月 31 日において現に精神病棟を単位として届出を行う入院料に係る届出を行っている病棟については、令和7年5月 31日までの間に限り、(10)、(11)及び(12)に該当するものとみなす。

(2)令和6年3月 31 日において現に精神病棟を単位として届出を行う入院料に係る届出を行っている病棟については、令和7年9月 30日までの間に限り、(13)及び(15)に該当するものとみなす。

みなし要件ですね

まとめ

精神疾患を有する者の地域移行・地域定着に向けた重点的な支援を提供する病棟の評価の新設」についてみてきました。

具体的には

  • (新) 精神科地域包括ケア病棟入院料(1日につき) 1,535 点

日数制限があります

非定型抗精神病薬加算があります。

作業療法士、精神保健福祉士、公認心理師の配置が必要です

経過措置があります。

急性期から地域へ、多職種で取り組む病棟の評価でしょう。

今回はここまでです。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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